news | introduction | experiments | exhibitions | CV | contact 2017-2024, 沈黙を守り続けた体験談を購入者にのみ物語ること, 思い出の品の贈呈, 契約 *2024年4月に売却済 私は元々バックパッカーでいろんな場所を放浪していたので、いろんな面白い体験談を所有しており、話のネタには事欠かない。それらを面白おかしく語り、持て 囃されるのは愉快なことではあるが、自分にとって大切な経験が適当に消費されると少し傷つく。大切な記憶を他人に面白がられるために盛って話してしまう自分 の浅はかさにも傷つく。 そんな人間の業から逃れ、お金を払ってでも私の経験談を求め、大切に扱ってくれるであろう然るべき人へ届けるためにこれを考案しました。 2024年春に売約済みの「#3:南米パタゴニアでひとりで山登り中土砂崩れに巻き込まれて滑落、怪我を負い遭難し死にそうになりながら一週間生き延びた記憶」 の 代金は68,871JPY。これはiPhoneに保存されていた遭難期間中の私の歩数の合計です。 プロセス 1. まだ誰にも語ったことのない大切な記憶の所有権を販売する。 2. 購入希望者と契約書を交わす。契約書には、その記憶の所有権が体験主である私から購入者に移ったという証明、私はその記憶について今後一切口にしないと いう約束が記されている。 3. 私は購入者に一度だけその記憶について語り、その後は完全に沈黙。この記憶に関する思い出の品も贈与する。 4. 購入者はその記憶について好きに語って/沈黙してよい。 詳細 ※購入者と交わす契約書。 ※イメージビデオ(HDビデオ、7分23秒、2019年制作)は、遭難中テントから頭だけを出して星空を見ていた時に見えた幻覚。ラストのイメージに読み取れる 「estás muriendo」 はスペイン語で、あなたは死にゆく、という意。 ※購入者に贈呈される#3の思い出の品は、遭難中に包まっていたエマージェンシーシートの現物(2017年使用、2024年額装)。 |